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診療

集団発生への対応

顕微鏡またはダーモスコピーによる観察によって虫体、虫卵などを確認することができます。
ヒゼンダニを見つけるには、まず疥癬トンネルを見つけることが重要です。トンネル先端ではヒゼンダニが産卵しています。
トンネルの入り口と先端を見分けるにはトンネル表面の性状に注目し、ささくれだって目立っている方が入り口、小水疱がある方が先端です。

発生時の対応

①対策委員会を作り、責任者を決めましょう。
②職員への周知と啓発を行い、パニックになるのを防ぎましょう。
③感染源を見つけ、感染範囲の推定と調査を行いましょう。

高齢者施設における集団発生のほとんどは角化型疥癬の患者さんを感染源としています。特有の厚い角化所見がないかをチェックしますが、局所的な角化部位 (足の裏や爪など)に限局した角化型疥癬があることも考慮に入れておく必要があります。角化型疥癬は感染力が非常に強いため、放っておくと感染者の範囲が拡大し治療が非常に困難になります。感染の拡大を防ぐためにも、感染源を特定し隔離することは非常に重要なのです。

調査対象

疥癬の患者さんの発生したフロア全体または施設全体の入居者、医師、看護師、介護士、理学療法士など全職員の皮膚の診察と問診が必要です。また、初発の患者さんが角化型疥癬の場合は、見舞い客、リネン業者にまで感染が広がる可能性があるため、実態調査の範囲を施設外まで拡大しなければならない場合もあります。

予防的治療

調査・検査の結果、感染の可能性が高いと判断された場合(例えば、角化型疥癬の患者さんと同室の患者さんなど)には、症状の有無に関わらず治療を行うことが疥癬診療ガイドラインで推奨されています。詳しくは皮膚科医にご相談ください。

病型による対応の違い

診断により病型が判明したら、それぞれの病型に適した対応をとりましょう。通常疥癬と角化型疥癬では感染力の違いから、表のように対応が異なります。通常疥癬と角化型疥癬の内容を混同して過剰な対応をとらないことが大切です。

  通常疥癬 角化型疥癬
衣 類
寝 具
リネン
特別な対応は必要ありません。 シーツは入浴時に毎日交換し、ホコリを立てず静かにくるむように扱います。床に置かず、そのままビニール袋に入れ、別に扱います。ベッドマットは掃除機で表面を丁寧に掃除します。
洗 濯 特別な対応は必要ありません。 50℃以上のお湯に10分以上浸した後に洗濯してください。乾燥機、アイロンによる加熱も有効です。
入 浴 タオルなど肌に触れるものの共用を避ける必要があります。 毎日行います。他の利用者と別(一番最後など)にする配慮が必要です。
頭部、頸部を含め全身を特に指間、陰部は丁寧に洗います。厚い垢はやわらかいブラシを使い、飛び散らないように落とす(例えばお湯をはった浴槽内でこするなど)とよいでしょう。
入浴は外用剤塗布前に行いましょう。
個室管理
(隔 離)
必要ありません。 必要です。
適切な治療を行えば長期にわたり個室管理を行う必要はありません。ヒゼンダニが検出されなくなった時点(通常1~2週間)で解除します。
介 助 特別な注意は必要ありません。
ただし、長時間の肌と肌との直接接触は避けましょう。
予防着、手袋を使用し、ケア後は流水と石鹸で手を洗います。
室内消毒 必要ありません。 加熱乾燥できない場合は、ピレスロイド系殺虫剤を噴射し、1時間後に掃除機で吸引します。隔離室、隔離前に使用した部屋、共同スペースなどにも殺虫剤を散布します。この処置は治療開始時と治療終了時に各1回ずつ、計2回行いましょう。処置を行わない場合は、2週間閉鎖した後に再使用します。

関連情報

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監修:あおぞら診療所  新松戸  牧上久仁子先生

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