疥癬を誤解していませんか?

不潔にしていると疥癬になる。

清潔にこしたことはありませんが、不潔だからといって疥癬になるわけではありません。

通常疥癬は簡単に感染する。

通常疥癬では長時間の接触がなければ感染しませんが、角化型疥癬では短時間の接触でも感染します。

疥癬の患者さんの衣服をさわっただけで感染する。

通常疥癬では間接的に感染することはまれですが、角化型疥癬では間接的に感染することがあります。

ヒゼンダニは畳で増える。

ヒゼンダニは畳やじゅうたんで増えることはないので、部屋をきれいにしていても予防にはなりません。ただし、角化型疥癬の場合は剥げ落ちた角層から感染することもあるので部屋をきれいにしましょう。

かゆみの原因はヒゼンダニそのものである。

かゆみの原因の多くはヒゼンダニが疥癬トンネル内に残していった糞や脱皮した抜け殻に対するアレルギー反応で、ヒゼンダニそのものではありません。

角化型疥癬の原因虫は通常疥癬と違う。

角化型疥癬も通常疥癬も、原因は同じ「ヒゼンダニ」です。

角化型疥癬の主症状はかゆみである。

角化型疥癬では角質増殖が主症状ですが、かゆみがないこともあります。

疥癬の患者さんはすべて隔離しなければならない。

通常疥癬では隔離の必要はありません。隔離が必要なのは角化型疥癬だけですが、それも治療開始後1~2週間で十分です。

疥癬の患者さんの部屋には毎日殺虫剤を散布しなければならない。

通常疥癬では殺虫剤の散布は必要ありません。角化型疥癬の場合も毎日の散布は必要ありません。

疥癬の患者さんを介護するときはマスクが必要だ。

必要ありません。